3500万円まで贈与税非課税
3500万円まで贈与税非課税
外交問題を筆頭にいろいろな課題が山積の安倍新政権です。その中の一つに税制改正、特に消費税がらみの攻防も予想されますが、今年の土地・住宅関連税制はどのようになるでしょうか?
これから年末にかけて、おそらく12月の半ばに来年度の「政府の税制改正大綱」が発表されます。「大綱」が、毎年ほぼそのままの姿で国会で可決承認されますから、実質的にはこの大綱をもって来年の税制です。来年度のことをお話しする前にまず今年、つまり平成18年度の土地・住宅関連税制のおさらいです。
残念だったのは、暦年課税の特例の打ち切りでした。つまり550万円まで無税・1500万円まで軽減税率の住宅取得資金の贈与特例は昨年一杯で打ち切られてしまいました。それに対して2年延長つまり平成19年末まで延長されたのが、住宅取得資金にかかる相続時精算課税制度の特例です。この特例は相続時に合算されるので相続税の節税にはなりません。また一度新特例を利用すると暦年の110万円非課税の贈与制度には戻れません。しかし、贈与時に3500万円まで贈与税が非課税になりますから、大型の住宅資金贈与に使えます。平成15年に導入された時には平成17年末までとされたのですが、また2年延長です。
財務省が相続時精算課税制度についての調査を行い公表していますが、この制度が導入された平成15年度にこの制度を利用した人は7万3000人、贈与された財産は1兆1621億円であり、特例の住宅取得等資金の贈与では、平均1483万円の贈与を受けたそうです。
詳しい相続時精算課税制度の内容はご自分で調べていただくとして、簡単に言うと65歳以上の親から20歳以上の子へのこの制度を利用した贈与は、2500万円までは課税されず、2500万円以上の部分については一律20%の贈与税が課されるというものでした。そして、この時の贈与は最終的に贈与者の相続の時に精算されるというものでした。さらに住宅取得資金であれば、2500万円から3500万円、親の年齢制限はなくなります。
住宅資金なら3500万円まで贈与税が課税されないのであれば、親から子へお金をどんどん贈与してください。これまでも機会あるごとに何度となく、マイホームの購入を考える上で頭金の重要性を強調してきました。マイホームを購入する時に両親から住宅取得資金の一部を贈与してもらえば、その後の人生設計も楽になります。子は早く贈与されると、きっと親に感謝します。「あげたはいいけど、しばらくするとありがたみが薄れてしまうかも……」なんて考えることもありません。親のお金で家が建ち、ローンがなくなれば子の生活は、ぐっと楽になります。そうすればいつも「お父さん、お母さん、ありがとうございます」と言って何度も遊びにきてくれるかもしれません。
高齢者がお金を大事にする気持ちは分かりますが、ずっと抱きかかえていたのでは「死に金」になり、子へ贈与して子の家族が幸せになれば「生き金」になります。(税理士法人タクトコンサルティング 税理士・公認会計士・不動産鑑定士補 山田毅志)